The Incubator Institute
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シンガポールのビジネスブログ。シンガポールで起業した女性コンサルタントの齋藤一恵(Kaz Saito)が海外、シンガポールビジネスの現場で遭遇して感じたこと、日本を考えたこと、異文化体験をお伝えします。

インキュベーター・インスティテュート BLOG

日本のワーキング・プア
今日のNHKの「NHKスペシャル」番組で「ワーキングプアII」という特集を見ました。4ヶ月位前にこの「ワーキングプア」という言葉をNHKスペシャルで初めて知りました。

前回の特集で、日本で働いても、働いてもまったく生活にゆとりが持てない人たちのドキュメンタリーを見て、胸が苦しくなったし、行き場のない怒りさえ覚ました。中高年、高齢者だけの話ではありません。地方の大学卒業者もワーキング・プアとなり、ゴミ箱に落ちている雑誌をひろって、収入にしている。そして、そんなブランクが継続すればするほど、就職も難しくなっていく・・・。

今回、その1回目の放送で相当な反響がNHKに寄せられて、その世論に少しでも答え、国や世の中にこの現状を伝えたいという、NHKのアナウンサーの思いもこちら側に伝わってきた。

日本は、発展途上国に莫大な資金を投資したり、寄付したり、貸付したりと札束を外国に渡しているが、

外国の発展途上国よりも、今なぜ、自国の貧困を救えないのかぁぁあ??

と、声を大にして言いたい。

シンガポールで他のアジアの人達と世間話になると、日本はお金持ちだから、というような言葉を聞くが、私は「とんでもない!今、日本の庶民、地方の人たちは仕事もない、政府の支援もない、大変な生活をしている人が沢山いるんだ。日本は経済が落ち込んだ10年でホームレスも沢山いるし、シンガポーリアンのほうがいい生活をしていて、リッチな人が沢山いる。」と反論します。

すると、「本当?そんなことあるわけないでしょ?」と驚かれます。

外向き外交にはとてもお金持ちの顔をして、アジア諸国へ沢山の開発援助という名のもとで、何百億という税金を使って投資して、田舎の道路やら橋やらを作ったりしている。

しかし、どうしてこういう日本の国民が耐えがたき社会生活を強いられている今、国内の貧困を支援するために動けないのでしょうか? それどころか、社会保障の予算を削る計画だ。
今日の番組をアジアの人たちに見せたら、どんな反応をするのでしょうか?
なんで、日本がこんなことになっているの?
彼らは反対に日本人の貧困者を援助してくれるのでしょうか?

そして日本のシングルマザーたち。

番組で紹介されていましたが、本当に大変な生活です。子供を育てながら、ひとつのパートの仕事だけでは今、目の前の生活をまかなえず、二つ、三つのパートを掛け持ちする女性が多い。私は10年前からこの問題について感心が強い。シンガポールに来る前、上野に住んでいたとき、近所にはそんな女性たちがいた。

昼間、パートの事務員などの仕事をして、夜はスナックで働いて・・・夜、12時に小さな子供を託児所に迎えに行く生活。明るく、前向きに子育てと仕事をしていて、私はそんな彼女達を尊敬していた。聞くと、託児所の料金は夜間は一時間、2000円〜2500円。(ちなみに離婚率の高い沖縄は480円)

そんな高いんじゃ、働いても手元に残るのは?? でも、なんでもっと安い24時間営業の託児所がないの??
私が政治家だったら、働くお母さんのためにオフィス街や飲食街のそばに夜間も営業するリーズナブルな託児所を設置するのにと真剣に思いました。
小学校なんて、廃校になってがらがらなんだし。

今日のNHKニュースで、そんな彼女達の母子家庭へ、これまであった政府からの加護手当てを3年後をめどに廃止するという。

「はあ?」HNKのニュースを聞いたとき、自分の耳より、NHKを疑った。アナウンサーが間違って言っちゃったのか?と。

しかし、さらにアンビリーバボーな国になってきた・・・。

こんなことしてたら、どんどん、女性は結婚も怖くなるし、子供も生めない。離婚したくても離婚できずに自立できない女性だって増える。
現状のシングルマザーはどうしたらいいの? お父さんがいないことで、コミュニティでも精神的な負担があるうえ、子供に食べさせていくことで必死に生活しているのに。
これじゃ、今後3年以降、シングルマザーの自殺者が増えるかもしれない。いや、一家心中だって増えるかもしれません。

現実的に生きることが地獄になる。

私が13年前、オーストラリアで見てきた高齢者、シングルマザーとは天と地の違いだ。

ケアンズの田舎にホームスティをした先は、大きくて素敵なお家。
しかし、滞在して1週間後にわかった。息子二人とお母さんで、お父さんがいないのだ。
ところが、お母さんは毎日、銀行にパートにでかけているだけ。週末にはダンスパーティに出かけたり、家でホームパーティを開いたりと生活をエンジョイしている。
そして、週末に息子たちが離婚したお父さんの家へ遊びにいくので、元夫が車で迎えにくる。日本人の私にとって聞いたことがない離婚した家族のスタイルだった。

後でわかったことだが、離婚して子供をひきとったシングルマザーには毎月、けっこうな金額の補助金が政府から支払われているという。
下手な安いパートでフルタイム働くよりも高い金額だという。稼ぎの悪い旦那なら、離婚したほうがよっぽど生活が楽になる女性もいるという。

ここで、離婚せずにやっている働く他の女性にとって、そんなの不公平だ!とすぐに言っちゃう人は、わかってない。
子供は社会の将来をつくる源。国づくりからすると、大切な資源なのです。その資源を育てて、社会に健全な人材を送り出してくれる家庭、家族は国にとっても大切な大切な資源なのです。

ある意味、女性ほど生産性のある社会的存在はないのではないでしょうか。
いくら、ひとりの男性が結婚後、一生懸命働いたところで、二人の子供の人生における生産性にはかないません。また、その両親の世代は、彼らの生産性によって老後の社会を支えてもらうのです。

私は経済学者でも評論家でもないので、社会経済の解説はここではできませんが、こういうことを実感して考えられたのも、人や動物、自然環境など、命を持つものを最優先にした法律、社会的な価値観を、外国人の立場でしたが、オーストラリアという国から学びました。
同時に、オーストラリア人からは人間という動物が一緒に生きていくために、社会で大切にするべきことの本質を教わった気がします。

いま、日本がワーキング・プアという層が拡大している社会を目の前にして、やはり政府、そして国策をつくる人たちの先見力のなさ、人間観のない政治のやり方に、自分の国でありながら、軽蔑の念をいだきます。

「予算削減するなら、もっと他に削減するところが先にあるだろう!!」(怒)
政治家のおじさん、自分の母や妻が入院していたら、自動車の購入や飲み代は削らずに最初に家族の治療費、削るか?? 

どうして、日本は自分には直接関係ない人となるといきなり、平気で弱者から先に切り捨てる方法が取れるのだろう?これ、日本の教育、社会が“間違った社会教育を大人に“してきた結果だと思います。


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